【アメリカで始まった急速濾過】 吉田 省司 先生 健康耳寄り情報 Vol.65
薬品の力で水を綺麗にする、
アメリカで生まれた濾過方法を、
「急速濾過」といいます。
現在、日本の浄水場もほとんどが、
この急速濾過方式を採用しています。
人口の多い都市や新設の浄水場は、
建設スペースも小さくて済み、
緩速濾過方式に比べて、
短時間で大量の原水を綺麗にすることができるので、
急速濾過を採用しているようです。
原水の汚れがひどい場合でも、
薬品の力で「安全な水」を、
皆様に供給することができるのです。
急速濾過の仕組みは、
原水を沈殿池に引き込み、
凝集剤の「ポリ塩化アルミニウム・硫酸アルミニウム」という薬品を入れて、
汚れや濁りを凝集・沈殿させます。
沈殿池の上澄みの、きれいな水だけを濾過していきます。
この時の濾過方法は、
「緩速濾過(ゆっくり)」方式を使いますが、
すでに、ほとんどのゴミなどは取り除かれているので、
比較的スムーズに濾過されていきます。
水の移動スピードは、
1日に120m~150m位となっています。
これでは微生物がアンモニアなどを分解することができません。
そこで必要になるのが、塩素なのです。
沈殿池に原水を引き込むと、
まず最初に「前塩素処理」で、
原水の中のアンモニアやマンガンを酸化除去させて、
殺菌・脱色処理をします。
そして、急速濾過のすべての工程を終えると、
「後塩素処理」が行われて、
皆様のご家庭の蛇口を開栓すると、
常に0.1ppm/ℓ以上の塩素が含まれる水道水となり、
腐敗水や伝染病等の菌から、皆様を守っています。
従来の緩速濾過は、
濾過層の水の移動は、
1日に3~6mくらいの速さとなっていて、
砂利・砂の層を、ゆっくり水が進むことで、
砂の中の微生物が、細菌やアンモニアを分解してくれ、
さらにきれいな水になっていました。
スワンのサーバー機能も、緩速濾過方式です。
22種類のミネラルの作用で、析出・凝集・沈殿と、
セラミックフィルターの沈殿物回収により、
3リットルの水を、2時間程度で濾過してくれます。