【天日干しの製塩とミネラル量】 吉田 省司 先生 健康耳寄り情報 Vol.20

1905年(明治38年)、
政府は、日露戦争の戦費調達を目的として、
「塩の専売制度」を始めました。

この頃の製塩方法は、全国の塩田による「天日干し」でした。
「塩」のみでなく、海水中に含まれる種々のミネラルも含まれていたため、
身体に必要な微量ミネラルや超微量ミネラルも十分に摂取することができていました。

しかし、
1971年(昭和46年)、天候の影響を受けずに、海洋汚染の影響も回避して、海水の不純物を除去できる、
「イオン交換膜製塩法」という化学的な方法に切り替え、生産性を重視しました。

この変更によって、「塩」に含まれていたミネラル成分も激減してしまいました。
(袋の印字に塩化ナトリウム99%と書かれています)

そして、
塩の製造販売は、1997年の塩事業法の成立により…
5年間の移行期間を経て、2002年(平成14年)に塩の製造販売が自由化されました。
現在市場には、多くの天然塩(天日干し塩・岩塩)などが出回るようになりました。

 
塩の取りすぎは健康に良くないことは、皆様も周知の事と思います。
食用に使うのであれば、「天然塩」のミネラルバランスが取れた「塩」を選びましょう!
 
ミネラルは身体に必要な5大栄養素の一つです。
身体を正常に維持していくためには、5大栄養素をバランスよく摂取する必要があります。
 
体を構成しエネルギー源となる、
「タンパク質・脂肪・炭水化物」の3大栄養素。
身体の機能維持や調整・抵抗力に必要な、
「ビタミン・ミネラル」を加えた5大栄養素です。
 
そして、
無機物(ミネラル)は、体内で作り出す(合成する)ことができないので、食べ物や飲み物から摂取する必要があります。
 
通常、「水道水」には、
カルシウム・ナトリウム・マグネシウム・カリウムの無機物(ミネラル)が入っていますが。
「水」は栄養素ではありません。
 
水道水の塩素剤は、
マンガンや鉄の酸化・アンモニア性窒素の分解を行う「酸化」のはたらきと、
利用者への飲料水には欠かせない「消毒」の2つのはたらきがあります。
水道水には0.1mg/L以上の塩素が含まれていて、
病原性大腸菌O157などの病原菌を死滅させる役割を果たしています。
 
生命活動に必要なものという意味では、
「水」は最も重要です。
 
 
身体のおおよその構成割合

(男性)
水=60%
無機物(ミネラル)=5%
タンパク質=17%
脂質=15%
糖質=0.5%
 
(女性)
水=50%
無機物(ミネラル)=5%
タンパク質=17%
脂質=25%
糖質=0.5%
塩