【身体情報伝達とミネラル事情】 吉田 省司 先生 健康耳寄り情報 Vol.8

緊張や興奮・ストレスなどに対応している、
「交感神経」。
それとは全く逆に、心身の活動をリラックスさせる働きと、体の機能回復や修復の役目も果たしている、
「副交感神経」。

この2つの神経は、丁度シーソーが上下するように、規則的に交互にリズムよく活動していることが重要です。
そのバランスが大きく崩れると、いわゆる「自律神経失調症」になるのです。

これらの神経は、多くの神経細胞の集まりで、体が正常に働くよう細胞から細胞へと必要な情報の伝達を繰り返しているのです。

実は。
その細胞の情報伝達に、ミネラルが密接に関わっています。

今回は、神経細胞 の情報伝達の仕組みと、ミネラルの役割について書いてみます。

神経細胞は、我々の様々な活動をうながす指令を、どのような信号を使って細胞から細胞へと伝えているのか…
皆さんは知っていますか? 

通常は、細胞内はカリウムイオンが多く、細胞外はナトリウムイオンが多くなっています。
そのイオンバランスによって、細胞内は電気的にマイナスの電位を保っています。

体外からの刺激(光、熱、圧力など)が細胞に伝わると…
細胞が細胞内外のカリウムイオンとナトリウムイオンとを交互に出し入れすることで、
細胞内はプラスの電位になり、わずかな電気が発生します(活動電位)。
この電気信号が、細胞と細胞が接続しているシ ナプスとよばれる部分に達します。
すると、その電気信号に基づいて、
細胞内にある様々な種類の様々な働きを持つ、
「神経伝達物質」とよばれる化学物質が放出され、細胞から細胞へと受け渡されます。
つまり。
神経細胞は、ミネラルイオンによる電気信号と化学信号(化学物質の受け渡し)の連鎖により、
細胞から細胞へと必要な情報を伝達しているのです。

なお。
このシナプスでの神経伝達物質の受け渡しには、カルシウムイオンも重要な働きをしています。
いかにミネラルの果たす役割が重要かをご理解いただけましたでしょうか?

身体情報伝達とミネラル事情