【今から270年前に発見された!】 吉田 省司 先生 健康耳寄り情報 Vol.68

海水を淡水化する方法が有りますが、
これを「逆浸透法」といいます。
 
これは、
半透膜で海水と真水を隔てて、
海水側に圧力をかけると、
塩分や有機物が除かれた真水だけが、
反対側に流れ出すというものです。
 
「半透膜」とは、
動物や植物の細胞膜の事です。
水の分子は通しても、
水に溶け込んでいる物質は通さない性質を持っています。
 
この浸透膜と水の浸透作用を利用する事とで、
次のような事ができます。
 
「濃度の薄い溶液と濃い溶液を、
半透膜を隔てて置くと、
濃度を一定化させるように、
薄い溶液が濃い方に移動して行く。」
 
これを利用したものが、
『塩漬け』や『ぬか漬け』です。
このような作用により、
濃い塩分の方に、野菜の水分が移動します。
 
スワンウォターとスワンミネラルを使った、
『醗酵ミネラルエキス』も同じような原理で、
美味しいエキスとなります。
 
逆もまた真なりです。
 
海水を淡水化するには、
「逆浸透膜」という技術を使います。
塩漬けやぬか漬けとは逆に、
濃い濃度の海水の水だけが、
薄い真水のほうに移動するという方法です。
 
浸透膜(細胞膜)を隔てて、
海水の浸透圧より高い圧を海水側にかけると、
海水から真水を取り出す事ができます。
 
逆浸透という現象は、
1748年に、
「豚の膀胱の半透膜(細胞膜)を利用して、
水がアルコールの入った並行室に自発的に拡散する…」
という様子を観察することにより、
フランスの科学者が発見しました。
 
「浸透と相反する逆浸透」は、
その後約200年間、
自然の半透膜は傷つき易く、
信頼度の低いものでしかなかったので沈黙をしていました。 
 
しかし、
1950年から、
アメリカの内務省が、
将来の水不足の解消のため、
海水淡水化の研究開発に多額の国家予算を計上し、
これを受けて1953年、
コロラド大学のレイドとブレトンが、
酢酸セルロース膜による逆浸透膜法の可能性を示しました。
 
その後1960年に、
カリフォルニア大学の
シドニー・ロブとソーリラジャンによって、
初めて、酢酸セルロース膜による海水の淡水化が実用化されました。
 
逆浸透