【酵素はタンパク質・アミノ酸】 吉田 省司 先生 健康耳寄り情報 Vol.31

食べものに含まれている「酵素」はタンパク質なので、
食べても栄養としてはアミノ酸になるだけです。
酵素という栄養素は、
栄養学や生化学ではタンパク質の一種と教えています。
 
生酵素にこだわらず、
加熱食品も生の食材も両方上手に摂りましょう!
電子レンジ加熱した食品や加工食品ばかり食べていると、
胃や腸が疲れてしまうから、
生の野菜や果物に含まれている酵素を使って、
負担軽減のためにという理由で、
生野菜と果物の酵素ジュース(うそジュース!)が氾濫しています。
 
実際には真逆の事もあります。
生の食材よりも加熱調理をした料理の方が消化が良くなり、
胃や腸に負担をかけないという事で…
お腹の調子が悪い時には、
生野菜よりもよく煮込んだ野菜スープの方がおすすめです。
 
胃の中に入った酵素は、
「胃酸」によりすぐに働きを失ってしまう酵素がほとんどですが…
例外もあります。
 
「チアミナーゼ」という、ビタミンB1を分解する酵素は、
酸に強くて、消化管の中でしばらくの間ビタミンB1を分解してしまいます。
そのため、チアミナーゼを沢山含んでいる生の川魚を食べ続けると、
ビタミンB1欠乏症になる可能性があるのです。
 
同じものばかり食べるのは身体に良くないという事にもなります。
 
「酵素がたっぷり摂れる醗酵食品!」
というキャッチコピーがありますが、
酵素を摂る目的と醗酵食品を摂る意味合いは違うものです。
みなさんは情報操作されていませんか?
 
酵素栄養学や生きた酵素という言葉が世に出たことは、
酵素というものは、ありとあらゆる生き物が生命活動を行うためには不可欠なもので。
「呼吸をしてエネルギーをつくる」
「食べた物を消化吸収し筋肉や血液をつくる」
ことも、酵素がなければ成り立ちません。
そんな大事な酵素が不足してしまうとすれば、それは大変なことです。
 
そこで、
食べ物から不足してしまう酵素を補う必要があると考えたのが、
アメリカのエドワード・ハウエル医師です。
最近みかける酵素の話の多くは、
彼の提唱した「酵素栄養学」が元になっていると考えられます。
 
 
野菜スープ